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恋の花笠
対象:一般向け / 時間:50〜60分 追い返すな、見捨てるな。 暖簾より重いものがある。 Don’t drive them away. Don’t cast them aside. Some things weigh more than a shop’s noren. 【あらすじ】 峠の茶屋で慎ましく暮らす母娘のもとへ、大店・越後屋の旦那と若旦那が通りかかる。若旦那は娘に一目惚れし、旦那は母の言い分も聞かず金と権勢で縁談を押し切ってしまう。 迎えた祝言当日——越後屋は一転、縁談を破談にし、母娘を追い返そうとする。呼び出された番頭・喜助は、拾われ育てられた恩を背負いながらも、暇を覚悟で主に立ち向かう。「人は体面や都合で量るものではない」と。 恋と商い、義理と情。峠に咲いた花が試すのは、越後屋の“心根”である。 At a mountain teahouse pass, a mother and daughter live quietly by their own hands. One day, the master and young heir o
6月4日
噓つきは泥棒のはじまり
対象:一般向け / 時間:70〜80分 嘘が転べば、銭が転がる。 情けをかけりゃ、また騙される。 Lies tumble—and money goes rolling. Show mercy, and you may be fooled again. 【あらすじ】 江戸、橋のたもとの屋台蕎麦屋・善兵衛。富くじの噂に心がざわつくところへ、“一日一善”を言い出した目明し親分が現れ、さらに辻占売りの娘・お光、口八丁の女・お元が入り乱れ、橋のたもとは嘘と欲と人情で大混乱。 「財布を拾った」「当たりくじだ」——小さな嘘が雪だるま式にふくらみ、親分も善兵衛も大損害。ところが騒動の先には、十年越しの“探し人”の話が転がり込む。捕まえるべきか、見逃すべきか。情けをかければ、また騙される。けれど情けを捨てたら、江戸の夜は寒すぎる。 最後に残るのは、蕎麦でも銭でもなく—— Edo, at the foot of a bridge, soba vendor Zenbei runs his little street stall. Just as rumors of a
5月26日
長屋の福札
対象:一般向け / 時間:70〜80分 笑う長屋に、福は来る。 一枚の札が、明日を連れてくる。 Fortune comes to a nagaya that can still laugh. One small charm brings tomorrow with it. 【あらすじ】 大坂の長屋。頼まれ文で日銭を稼ぎ、月末には皆の店賃を預かって大家へ届ける古株・徳兵衛。足を骨折した木札職人・栄次は、怪我人扱いを嫌いながらも仕事にしがみつく。口喧嘩ばかりの二人だが、根っこは似た者同士。 ある日、嵐で長屋が傷み、暮らしは急に逼迫する。銭が足りない、気持ちが荒む、言えない本音が刺さる——。そんな中、調子者の半吉、煮売りのおふみ、働き者のおちよも加わり、長屋の者たちは“ある商い”を思いつく。 筆の字、木の手触り、紐の結び目、口上の一言。ばらばらだった心が、ひとつの札に結ばれていくとき、長屋に必要なのは大金ではなく、今日を越えるための笑いと手の温度だった。 Osaka, in a nagaya tenement. Tokubei, an old hand
5月18日
夫婦善哉
対象:一般向け / 時間:70〜80分 織田作之助『夫婦善哉』原作。 甘い善哉と塩昆布みたいに、恋と人生が噛み合っていく。 Based on Sakunosuke oda’s A Couple of Swells (Meoto Zenzai). Like sweet zenzai with salty kombu, love and life finally click into place. 【あらすじ】 大阪。乾物屋「瀬戸屋」の若旦那・柳吉は、遊び好きのボンボン。うどん屋で出会った曽根崎新地の芸者・蝶子(本名・春江)に、強引なくせに不思議とまっすぐな恋をぶつける。 世間体と家の看板、親の反対、金の苦労――「一緒になる」だけでは終わらない現実の前で、二人は何度もぶつかり、それでも歩みを止めない。甘い善哉と塩昆布のように、噛み合わぬはずの二人が“夫婦”になっていく、人情と商いの物語。 Osaka. Ryūkichi, the young master of the dried-goods shop Setoya, is a spoiled, p
5月14日
幸せ見つけた
対象:一般向け / 時間:70〜80分 意地は魚の骨みたいに刺さる。 抜けたら、腹の底から笑える。 Pride sticks in you like a fishbone. Pull it out—and you can laugh from deep in your belly. 【あらすじ】 江戸時代・大坂天神橋。隣同士で同じ魚屋を構える兄・一郎と弟・次郎は、水と油の犬猿。次郎は「母を死なせたのは兄だ」と信じ、顔を合わせれば喧嘩ばかり。そんな確執は、娘・お小夜の恋にまで影を落とす。 折しも天神橋界隈は修復工事で立ち退きが決まり、暮らしも商いも揺れはじめる。そこへ舞い込む縁談話がさらに火種となり、若旦那・春吉は「親同士が仲が悪ければ暖簾が傷つく」と身を引いてしまう。娘の涙に初めて胸を刺された次郎は、長年閉ざしていた“兄の家の敷居”をまたぐ。 意地、誤解、毒舌の応酬——その奥に、母が遺した一通が静かに真実を照らす。失ったと思っていたものの先に、兄弟が見つける「幸せ」とは。 Edo-period Osaka, Tenjinbashi. Two fi
4月30日
人情島節
対象:一般向け / 時間:70〜80分 義理か、人情か。 島風が揺らす、三年ぶりの答え。 Duty—or human feeling? The island wind stirs an answer, three years overdue. 【あらすじ】 とある島の浜辺。網元・善兵衛(養子)は、兄の家に身を寄せる「たえ」の行く末を案じていた。三年前、兄の倅・滝次郎は祝言を前に島を出たまま、便りひとつない。たえは滝次郎の父を看病しながら、ただ帰りを待ち続けている。 そこへ江戸から来た薬売り・弥一が現れ、たえに縁を迫る。島の噂は広がり、善兵衛は怒りと情の間で揺れる——たえの幸せを願うほど、言葉は乱れ、胸はざわつく。 やがて、島に戻る影。すれ違った三年の空白が、浜の暮らしを揺さぶる。 船の刻限が迫る中、選ばれるのは“義理”か“人情”か。島風のように切なく、あたたかい人情芝居。 On a small island shore, Zenbei—the adopted headman of the fishing guild—can’t stop worr
4月21日
花形はんと裏方どん
対象:一般向け / 時間:70〜80分 “役者が花”なら、裏方は灯。 その灯が消えたら、舞台は真っ暗や。 If actors are the flowers, stagehands are the light. When that light goes out, the stage turns pitch-black. 【あらすじ】 大黒座の狂言方・吉村は、人のよさと調子のよさで劇場を回しながら、良子との縁談を真剣に考えている。番頭・河村は、師匠・市川昇次郎に仕え続ける「影の男」。若手の昇は、名跡を継ぐ期待を背負いながら、恋と役者道の狭間で揺れていた。 ある晩、昇に「彼女がいる」という噂が確信に変わり、昇次郎は河村へ“別れ話をまとめろ”と命じる。ところが、その役目が河村の胸を裂く。守りたいのは師匠の未来か、妹の涙か。さらに吉村もまた、裏方としての矜持と恋心の間で踏ん張ることになる。 笑いが転がる楽屋口の空気が、やがて「芝居を生きる」という覚悟に火をつける——。恋も名跡も、裏も表も飲み込んで、舞台は次の幕へ進んでいく。 At the backsta
4月14日
盲目の十手
対象:一般向け / 時間:60〜70分 見えぬ目が、罪を見抜く。 縛るのは縄か、血の情か。 A sightless eye sees through the crime. Is it the rope that binds—or blood and compassion? 【あらすじ】 雪深い山中。 捕り方たちが追う盗人騒ぎの只中、盲目の按摩となった庄太郎が、目明し親分・勘蔵と再会する。かつて“早縄の庄太郎”と呼ばれた凄腕に、勘蔵は「もう一度十手を」と頭を下げる。狙う下手人は、山形屋の蔵破り——そして名を聞いた瞬間、庄太郎は悟る。盗人・庄吉は、血を分けた弟だった。 妹・お光を抱え、貧しさと過去の傷を背負う庄太郎。追われる弟にも、守りたい家族がある。正義か、血の情か。見えぬ目で“人の心”を測りながら、庄太郎は弟と向き合う。 雪の闇に響くのは縄の擦れる音か、赦しを乞う声か——「盲目の十手」が試される人情捕物帖。 Deep in a snowbound mountain pass, constables scour the woods for a th
3月3日
山の輿
対象:一般向け / 時間:60〜70分 姿形で量るな、心で抱け。 山を越えた女の覚悟が、家の灯を変える。 Don’t measure her by looks—embrace her by heart. A woman’s resolve, forged over mountain paths, changes the light of a home. 【あらすじ】 とある山。 材木問屋・尾張屋の女将と若旦那清三郎が山を分け入ると、見知らぬ小屋が建ち、そこに暮らすのは前科を抱えた男・テツと妹おちょこ。 縁談を断り続ける清三郎が「大きなお尻の女が好き」と漏らしたその矢先、まるで芝居のように“理想の後ろ姿”が現れ、話は思わぬ方向へ転がっていく。 しかし祝言の日が近づくほど、尾張屋側の不安は膨らむ。家柄、噂、そして見た目——「釣り合い」という言葉が、人の心を曇らせる。女将と番頭は、相手から縁談を断らせようと二つの“芝居”を仕掛けるが、そこで露わになるのは、おちょこの揺るがぬ覚悟と、胸に秘めた年月の重さだった。 姿形か、心か。家の体面か、家族の温もりか。
2月26日
道成寺~時戻しの鐘~
対象:一般向け / 時間:70〜80分 鐘が鳴るたび、人生はやり直せる——はずだった。 約束を破った男が、最後に選ぶのは「一度きり」の覚悟。 With every toll of the bell, life can start over—or so it seemed. A man who broke his promise must finally choose the resolve to live as if it’s only once. 【あらすじ】 道成寺の門前・茶屋「阿含」。 祭りを三日後に控えた村に、旅の僧・安珍と作山伏・了玄が現れる。 男前を武器に人の心を動かす安珍は、庄屋の娘“清姫さま”お清と出会い、思わず交わしてしまった「約束」が運命を大きく揺らす。 ――道成寺の鐘が告げるのは、やり直しの奇跡か、それとも人生一度の覚悟か。 笑いと涙、炎の中で、安珍は“本当に守るべきもの”に辿り着く。 At the gate of Dojoji Temple, in the teahouse “Agon,” a village prepar
2月19日
それは恋
対象:一般向け / 時間:60〜70分 雪が消せない罪がある。 それでも、恋は消えない。 Snow can't erase certain sins. Even so, love can't be erased. 【あらすじ】 寒い年の瀬。 稲荷社の前で村人たちが来年の豊作を祈る中、身なりは良いが憔悴しきった男・清六がふらりと現れる。 包丁を突きつけ金を迫るのは、泥棒を始めたばかりの育松。だが清六は「一銭もない」と言い、むしろ刺してくれと懇願する。清六は店の金二百両を使い込み、曽根崎の梅乃井で出会った女郎・お京を身請けしようとしたが、途中で金を奪われ、帰る場所も誇りも失っていた。育松は思い直し、清六に生き直せと諭して去る。 そこへ今度は、当の“お京”が追って来る。事情を知った彼女は足抜け同然に駆け、清六と共に責めを負う覚悟だ。追手として現れた役人・松次は清六の幼馴染。職務と情の狭間で二人に向き合う。 さらにお京の妹・お春も転がり込み、夜は深まり、雪は強まる——明日の朝、人はこの出来事を何と呼ぶのか。 清六が静かにこぼす言葉は、「それは恋」。 In
2月19日
月夜の化かし合い
対象:一般向け / 時間:60〜70分 心中は演目、月は照明。 愛も小判も化かし合いーー最後に笑うのは誰だ 。 Double suicide is theater; the moon, a spotlight. Love and gold are games of deception—who gets the last laugh? 【あらすじ】 江戸・蔵前。 向島出の元芸者・お高は、身請け主の越野屋の旦那から「手切れ金二十両で別れてくれ」と通告される。強がって「いっそ心中を」と返したお高は、母の入れ知恵で吾妻橋の夜に“ひとりだけ助かる”算段に出る。 そこへ「旦那が化けて枕元に立った」と騒ぐ和泉屋の藤助が現れ、尼になれ、髪を切れ…と脅しと助言が飛び交う中、あの心中話が“真心を試す仕掛け”だった素顔も露わに。 偽小判か本銀か、涙か芝居か——月明かりの下、言葉と財布と度胸を賭けた化かし合いが始まる。最後に笑うのは、誰だ。 Edo—Kuramae. Otaka, a former geisha from Mukōjima, is told by her
1月4日
身代わり忠治
対象:一般向け / 時間:60〜70分 逃すために騙る。 義理と度胸の、身代わり芝居。 Impersonate to set him free. A stand-in drama of duty and nerve. 【あらすじ】 赤城山に潜む国定忠治。 山は役人であふれ、包囲は刻一刻と狭まる——。 子分の巌鉄・浅太郎が持ち込んだ脱出策は“身代わり”。麓の百姓・忠治郎は、顔立ちが忠治と瓜二つ。ただし気弱で腰が引けた男だ。人を巻き込むことを嫌う忠治は逡巡するが、仲間の熱に押され、刀と着物を預けて身を隠す。 一方、強欲なヤクザ・山形屋藤蔵の横暴に、忠治郎は“その通り”の一言だけを盾に、なりきり作戦で乗り込むことに——。攫われた娘、揺さぶられる“義”と“面(つら)”、そして頬の黒子が告げる正体の影。 嘘か真か、男の値打ちは声と背中に出る。雪解け間際の赤城路で、度胸が本物を追い越す瞬間が訪れる。 Akagi Mountain, where the outlaw Kunisada Chūji lies low. The hills swarm with o
2025年12月8日
雪の夜物語
対象:一般向け / 時間:60〜70分 噂は冷たく、湯気はやさしい。 雪の夜、縁は結び直せる。 Rumors are cold; the steam is gentle. On a snowy night, bonds can be tied anew. 【あらすじ】 雪深い村の冬。 祭り支度の花笠音頭が響くお熊の家に、噂がひとつ—家を飛び出した娘・お園が赤子を連れて戻ったらしい。そこへ、働き者の目明し・新吉。さらに二十年ぶりに名乗り出た老爺・善兵衛——「新吉の生みの親」だという。 雪は強まり、村では揉め事と騒動が相次ぐ。許すか、突き放すか。育ての情と血の縁、過去の悔いと明日の暮らしが、ひとつ屋根の下でぶつかり合う。五色沼の知らせが夜更けを裂いたとき、家族はそれぞれの“帰る場所”を選び直す。雪の夜が試すのは、名ではなく、結び直せる心の温度。。 In a snowbound village winter, preparations for the festival echo with the Hanagasa dance at Okuma’s ho
2025年11月30日
世直しご家老珍道中
対象:一般向け / 時間:50〜60分 予算はカツカツ、義は満タン。 笑いと涙の世直し珍道中。 Budget on fumes, honor on full. A laugh-and-tear-fueled justice romp to set things. 【あらすじ】 川越城下の長屋育ち・長助、まさかの「助さん募集(身分・経験不問)」に合格して“七代目助さん”に。お供は、印籠係に徹する合理主義の“格さん”と、どこかズレた威光を放つ“ご家老”松平則近。三人組の世直し珍道中は、道中茶店での人助けから、毒舌と物忘れが交錯する騒動まで、笑いの種に事欠かない。 やがて一行が辿り着いたのは、中山道の整備で人馬と金の負担を強いられ、名主と百姓が対立し始めた村。印籠の威光が通じない“民の怒り”を前に、長助は「お上の正義」と「暮らしの現実」のあいだで奮闘する。口先の権威でも刀でもなく、茶一杯とまっすぐな言葉が、こじれた心をほどいていくのか――。 “ご老公気取り”のご家老、“給金至上主義”の格さん、“町人上がり”の助さん。三者三様の世直しが、皮肉と笑い、そし
2025年11月22日
文七元結
対象:一般向け / 時間:60〜70分 手放した手が、縁を結ぶ。 元結一本、江戸は温かい。 The hand that lets go ties the bond. One motoi cord - and Edo is warm. 【あらすじ】 江戸・両国。 腕は立つがツキに見放された職人と、店の大金を落として途方に暮れる若い元結(髪を束ねる紐)の職人・文七。 年の瀬、川風の冷たい橋の上で出会った二人は、互いの「もう戻れない」事情を抱えていた——ひとりは娘を遊里から取り返すための五十両、もうひとりは店を潰しかねない預かり金。 絶体絶命の夜、思いがけない“手放し”が、誰かの明日をつなぎ直す。 金は巡り、義理と人情が行き交う江戸の町。やがて「元結」は、ただ髷を結ぶ紐ではなく、縁と約束を“もとい(元結)”に戻すしるしとなって——物語は、軽やかな笑いと温かな余韻で結ばれる。 Edo, Ryōgoku. On a year-end night, a skilled yet down-on-his-luck craftsman crosses paths
2025年11月18日
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