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栗の行方【くりのゆくえ】012 20210706

ども、この世で栗が15342番目に好きな市川福介です。


まぁ、普通ということで・・・。



昨日まで上演していたお芝居『里の秋』

タイトルからも分かる通り、この芝居は“秋”の季節設定なんです。

(逆に秋じゃなかったら驚きなのだが)


そんな“秋”のお芝居『里の秋』では、一つのキーポイントとして「栗」が出てきます。

(秋だからね)


お芝居の中で実際に栗を食べるシーンがあるんですが、これが難しいんですよ。

食事シーンで台詞を発する、これが中々難しいんです。


当然のことながら、口いっぱいに頬張ったら喋れないし、

物によっても噛みきれないもの、口の中の水分を奪われるものなんかも難しい。


だから、セリフがある時は汁物や飲み込みやすいものを選んだりするのが妥当ではあるけれど、あえてその難しいものをいくのが役者の腕の見せ所でもあったりするし、そういうところを見ている同業者もいる。

(「あいつ肉行ったな」とか「あいつ、ヒヨって味噌汁しか飲んでないな」みたいな感じでね)


ただ今回の敵は栗、比較的水分を奪われやすい食べ物。

バクバク食べてもいいのですが、それで台詞が喋れなくなったら、元も子もないので、1〜2粒食べて台詞に集中しようと思い栗を食べる。


ん? 


この栗、めちゃめちゃ美味しいじゃないか!?


この世で栗が12896番目に好きな僕が、唸るほどの栗。

(ランクアップしてる?)


1〜2粒で済まそうと思っていたのですが、あまりの美味しさに、ここぞとばかりに、台詞のない隙間を狙ってバクバク食べる。

(本当に美味しかったんですよ)



ところが・・・・・・

ある日の公演後、とある事実がみんなに告げられる。


「明日の公演の分の栗がありません」


どうやらうちの劇団に馬鹿みたいに舞台上で栗を食べるやつがいて、

(お前だろ!)


当初の計算で買ってきた栗がこのままでは足りないらしい。



なぜだかわからないが、足りない分の栗を僕が買いに行くことに。

(当然だろ!)



僕はスーパーへやってきた。

プライベートな事なので、名前はイニシャルで伏せさせてもらうが、“Oークワ”というスーパーだ。

(これならバレないだろう)


店内に入った時に、僕はある事に気づいてしまった。


「栗のことを何も知らない」と!


30年近く栗を食べ続けてきたのにだ!

あれだけ舞台上でバクバク食べていたのにだ!

(やっぱりお前じゃないか!)


何を言っているんだと思うかもしれませんが、正確に言うと


「栗がどこに並んでいるか知らない」だ。


これ以外と分からなくないですか?

そりゃあ僕だってそこまで無知じゃないから、栗がお魚コーナーに売ってないことくらいわかりますよ?


でもね、逆にお聞きしますが、

「栗って“野菜”ですか? “果物”ですか?」


これを聞かれたら戸惑う人もきっといるはず!


見た目は“野菜”の雰囲気を醸し出しているけれども、よくよく考えれば、栗は木に成っているから、イチゴやスイカが野菜に分類にされるように、リンゴやミカンと同じで“果物”なのかもしれない。


はたまた“果物”というよりも、細かく分類して、

“木の実”なのかもしれない。種実類というか、ピーナッツやアーモンドと同じ仲間なのかもしれない。


そこまでの予想は立ちますよ?

でもね、ないんですよ!


野菜コーナーにも、果物コーナーにも、ナッツコーナーにもないんです!


さつま芋の横にも、梨の横にも、ピスタチオの横にも!

栗がないんです!

(時期的なものだと思いますが)



仕方がないので、それぞれ適当な理由を見つけてしらみつぶしに探してみる。


 

栗って日持ちしそうだから

「インスタント食品コーナー」→✖️


同じく日持ちするという理由で

「乾物コーナー」→✖


栗は甘くておやつとして代用されるから

「お菓子コーナー」→✖


豆っぽいから、豆腐や納豆と同じ括りで

「麺・納豆・豆腐コーナー」→✖


同じく枝豆と同じっぽいから

「冷凍食品コーナー」→✖️


栗って甘いからアイスクリームと同じ

「アイスクリームコーナー」→✖️

(この辺からだんだん思考が停止していきます)


大豆が「畑の肉」と呼ばれているように栗も栄養価で「山の肉」とか呼ばれてそうだから

「精肉コーナー」→✖️

栗焼酎とかあるから

「酒類コーナー」→✖️


モンブランと同じだから

「パンコーナー」→✖️

(そもそもモンブランはパンじゃないんだが)


栗は飲み物だから

「飲料コーナー」→✖️

(カレーは飲み物と同じ発想です)


 

これだけ探しても見つからない。


そもそもスーパーに栗はないんじゃないかと諦めかけたその瞬間!


私の目に突如として飛び込んできた「剥き甘栗」の文字。


見つけた! ようやく見つけたぞ!


長かった、だがついに、栗を見つけた!



どこだ? ここはどこだ?


頭上の看板の文字を見てみる。


「半生菓子」


煎餅やアタリメ、その他のお菓子とも違う

「半生菓子」


バウムクーヘンや、マフィンとも違う

「半生菓子」


饅頭や羊羹と同じ分類の

「半生菓子」



う〜ん、間違ってはないけど・・・


皆さんはこの結果どう思いますか?

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