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歌唱指導【かしょうしどう】013 20210709

ども、特別公演を無事終えた市川福介です。


7月1日(木)〜5日(月)に行われた


すわん江戸村特別公演『里の秋』


ご来場くださったお客様、誠にありがとうございました。



今回は残念だけど行けなかったというお客様、次回はよろしくお願い申し上げます。


はなからそんなの行くわけねえだろうというお客様、そんなこと言わずに、ぜひぜひ。



今回、特別公演ということで、お芝居はもちろんのこと、ニ部の舞踊歌謡ショーでも特別なことをしようということで、新たな試みがあった。


それが“歌う”ということだ。

(そんな試みはいらねえんだよという方、どうかその言葉をどうかぐっと飲み込んで下さい。気持ちは十分にわかります)


というのも僕は“福介かジャイアン”かと言われるくらい自他ともに認める“歌が苦手な人”です。


お芝居でも度々、歌う機会が出てきますが、その度に、ありとあらゆるテクニックを使い下手さ加減に靄をかけているんです。

(誤魔化していると言った方が妥当かな)


しかし今回は歌のみということで、誤魔化しがきかない。


僕の歌が皆さんのトイレTimeになるならまだいいですが、もし僕の歌を聞いて、あまりの下手さ加減に気分を悪くされ、そのまま熱が出てバタバタと倒れてしまったら大変です。




とても緊張しましたが、温かいお客様の声援もあり、何とか無事に終え、熱が出た方も数人程度に抑えられたのは何よりです。

(いたんかい)





音痴の僕が、大きなクレームもなく、ごく一部の方に喜んで頂いたのには、ある方の尽力がありました。


というのも、僕の知り合いに歌の先生がいて、今回その先生に歌唱指導してもらったからなんです。


その方は本来正式な手順で依頼をすれば、

ウン千万円〜ウン億円のギャランティーが発生するところを、お友達価格の“お菓子ひとつ”で引き受けて下さいました。


プライベートな交友関係なので、実名は伏せさせて頂きますが、今回H菜M保先生に指導して頂きました。

(これでバレないだろう)



H先生の指導はとても分かりやすく、先生のおかげで、何とか聞けるくらいにはして頂きました。


本当にH先生には感謝の言葉もありません。


もちろん何の文句もありません。


一つを除いては・・・

(あるんかい)



H先生の指導はとても丁寧で、身振り手振り、時には実演を交えて指導して下さるのですが、そのやり方がちょっと独特なのです。


ところで皆さんって鼻歌を歌う時、もしくは音楽を口ずさむ時、どの言葉を発しますか?


僕は断然「タララ〜」派なんです。


中には


「テレレ〜」派

「ラララ〜」派

「フフフン」派


の方がいらっしゃると思いますが、

これが四大鼻歌言葉だと思うんです。

(異論は認めます)



ところがH先生は違います。


「福ちゃん、サビ前のニャニャニャのところをニャニャニャ〜に伸ばしてみて」


そう!


H先生は「ニャニャニャ」派なんです。



H先生が「ニャニャニャニャ」言うたびに僕は心の中で思うのです。


「あなたは猫か!」と。


だって「ニャ」という言葉、そもそも言いにくくないですか?


「タ」とか「ラ」の方が圧倒的に言いやすくないですか?


それをわざわざ発音しにくい、噛む可能性が高くなる「ニャ」で教えてくれるんです。


先生が「ニャ〜ニャ〜」言うんです。


そりゃ思うでしょ!「猫か!」と。





まぁとは言ったものの、冷静に考えたら、色んな表現の仕方があるんだなぁと思うわけです。


「テレティティティ」の人もいれば、「チャチャチャ」の人もいるし「ホゲー」の人もいるわけだし。

(それはジャイアンね)



ラッパの音を「パ」で表現したり太鼓の音を「ドン」で表現したりもする。


色んな音を表現する言葉があって面白いなぁと思う。





稽古を続ける。


次第にH先生の「ニャニャニャ」に慣れてくる。


稽古に熱が帯びる。


「福ちゃん、サビ前はニャニャニャくらいで抑えて、サビで一気に開放してミャ・ミャ・ミャ〜でやってみて」


ミャミャミャ・・・・・・


先生が「ミャミャミャミャ」言うたびに僕は心の中で思うのです。



「あなたは猫か!」と。


だから言いにくくないですか?


「ナ」でも「マ」でもなく「ミャ」!


なんなら「ニャ」より言いにくくないですか?


先生が「ミャ〜ミャ〜」言うんです。


そりゃ思うでしょ!「猫か!」と。





しかし「ニャ」だろうが「ミャ」だろうが、指導はとても分かりやすく、自分でもわかるくらい上達するんだから流石である。





稽古が終わり、先生に挨拶をしに行く。



僕「稽古ありがとうございました」



H先生「本番は楽しんでね」



先生は笑顔で言う。


先生の手には僕が渡したギャランティー代わりのお菓子・メザシが握られている。



それを見て僕は心の中で思うのです。


「あなたは猫か!」と。


※この物語はフィクションです。

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